インテリジェントな製品開発と高度な素材ソリューションにより実現するスマート家電

スマート家電はすでにある程度実現しています。しかし、消費者は、スマート家電がライフスタイルや環境にもたらすメリットを、コストとプライバシーと比べるため、その普及率は低いままです。同様に、AI、機械学習、接続性の領域における継続的な技術の進歩により実現する新しい革新的な機能に対する消費者の懸念のバランスを取れるよう、製造メーカーは設計チームとエンジニアリングチームをサポートしています。後者は、インターネットを介し、他のデバイスやシステムとのデータの収集と共有が可能なセンサーとソフトウェアが埋め込まれた物理的な物体のネットワークを示す IoT(モノのインターネット) とも知られています。

設計とエンジニアリングの観点では、その目的は皮肉にも、これらの新出の技術とスマートに連携させ、それらをよりスマートな製造および生産工程内に導入することです。技術自身が、消費者に付加価値を提供する方法で、見た目も美しく、機能性が高い製品を生産するために、優れた接続性によるメリットを享受しています。

そのような付加価値を消費者に提供して、今後のスマート家電の魅力を高めて成長をさらに促進させる主な要因には、快適性、利便性、セキュリティ、持続性などがあります。設計チームにとっては、物理コンポーネント (外観の美しさと製品の機械的および電子的部品などを含む) およびスマートコンポーネント (ソフトウェア、センサー、データの収集と保存) を、接続コンポーネントと組み合わせるスマート家電の開発に密接なアプローチが必要です。

未来におけるスマート家電の成長の可能性は大きなものであると信じています。数十億に迫る規模のスマートデバイスとスマート家電が、家の内外において互いに接続されると予想されています。そのような予測の 1 つに、engineering.com による製品開発の専門家を対象とした調査があります。「回答者の 60% 以上が、製品に IoT 機能を追加することを少なくとも評価」していることが示されています。

2021 年におけるそのような製品は、主に製品自体の特徴と機能を通して顧客に提供される利便性に主眼を置いています。しかし、データ取得、大量の関連データの安全な保存、そのデータの使用方法、そして個人のプライバシーにおける課題が残っています。

IoT への移行が進行中であることに疑いはありませんが、より幅広い消費者がスマート家電を選択するための1つの課題は消費者の信頼を得ることです。例えば冷蔵庫をスマート家電の例として取り上げると、従来のモデルと比較して、スマート冷蔵庫がどのように家庭に付加価値をもたらすのかははっきりとしています。スマート冷蔵庫は、すでに内外の環境要因に基づいて温度をモニターし、温度が高すぎたり低すぎたりすると警告を発することができます。ユーザーは温度を直接調整したり、スマートフォンアプリを使用してリモートで調整したりできます。さらに、よくあることですがドアが開いたままになっているとユーザーに警告したり、オンラインのレシピにアクセスしたり、冷蔵庫の内容物に基づいて買い物リストを生成したりできます。

しかし、スマート冷蔵庫は多くの家庭で未だに普及していません。比較的高額なうえ、スマート機能は紛れもなく便利であるものの、他の家電との幅広い接続性は未だ開発領域のままとなっています。スマート家電が、オーブン、コンロ、電子レンジなどの、キッチンや家庭の環境の他のスマート家電と接続されることを想像してみてください。機能性は大幅に向上するでしょう。

さらに、スマート家電は家庭環境を超え、持続可能性や生ゴミについてなど、国内、さらには国際的なイニシアティブをサポートする将来性を秘めています。国連によると、13 億トン以上の食料が毎年世界中で廃棄されていまます。スマート冷蔵庫が接続され、レストランやスーパーマーケットが廃棄する過剰食糧を販売できることを想像してみてください。または、食品が腐っていくことを認識するにおいセンサーを通して、賞味期限間近であることをユーザーに警告できたらどうでしょうか。

魅力的な提案だと思いませんか?

ハードウェア価格が下がり、接続性がさらに広がり、データのセキュリティ問題が解決されることにより、スマート家電のメーカーは世界規模で成長しています。

素材のなかでも、製造と組み立てを容易にする、接着剤などの高度な素材は、一見気づきにくいもののこの成長を大きく支えている領域です。高度な素材は、前述のスマート家電に必要な部品すべてを結びつけます。高度な素材には、接合、保護、埋め込みの電子機器、熱制御などの用途が含まれます。これらの用途の 1 つである接合を取り上げてみます。あらゆるスマート家電のタッチスクリーンが機能性に不可欠であり、メインとなるユーザーインターフェイスを実現していることを考えると、タッチスクリーンが家電についていて所定位置に固定されるしくみは、性能と信頼性のほか、美的観点においても重要となります。これには接合が必要です。OEM がスマート家電の組み立てと統合を行う際に欠かせない品質と効率性を提供する、高度な接着剤の開発に必要なエンジニアリングの専門知識は、ささやかで見逃されがちですが、不可欠な一部であると言っても過言ではありません。高性能な接着剤による革新的なソリューションを実現するために、信頼のおけるパートナーと協業すれば、意図した通りの機能性と外観を達成することができ、スマート家電メーカーとの橋渡しが実現します。

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